Power Appsが突然動かない!運用・保守で困ったときの解決策
業務のスピードアップを狙って始めた Power Platform。気づけば"作った人にしか分からない仕組み"になっていませんか。属人化、ドキュメント不足、権限の綻び----原因は小さな見落としの積み重ねです。本稿では、その「あるある」をほどき、再発しない運用まで具体的に解説します。まずは現場の声を覗いてみましょう。
🔍はじめに
Aさん: あのアプリ、エラーが出てるみたいなんですが...修正できますか?
Bさん: うーん...どこを直せばいいのかわかりません。作ったCさん、もう退職されましたよね...
こんなやり取り、最近社内で増えていませんか?
Power Platformを導入している企業の多くが直面するのが、この「ブラックボックス化」です。
最初は業務効率化のために作ったアプリやフローが、気づけば誰も中身を理解できない状態になっている─────
これ、決して珍しい話ではないんです。
今回は、そんな「困ったときの対処法」について、実際の事例を交えながらご紹介します。
🧩どうして「ブラックボックス化」してしまうのか
Power Platformの魅力は、専門知識がなくてもアプリやフローを作れることです。
でも、この手軽さが時として落とし穴になることがあります。
よくあるパターン
パターン1:属人化
業務に詳しい Aさんが「ちょっと便利なアプリを作ってみよう」
最初は簡単だったのに、要望が増えて機能が増えて複雑化
→気がついたら誰も分からない状態に
パターン2:ドキュメント不足
「とりあえず動けばいいや」で作成
何をしているアプリなのか、設計書も操作手順もない
→Aさんが異動・退職すると、誰も触れない状態に
パターン3:セキュリティ面の不安
権限や外部接続設定が曖昧のまま運用
「とりあえず動かそう」で始まって、セキュリティ設定が後回し
→本当に自社の情報は安全なのか、誰も把握できない状況に
⚠️実際にあった「困った」事例
《承認フローが突然動かなくなった A社の場合》
状況
- 営業部で2年間使っていた顧客管理アプリで利用している承認フローが突然エラーに。
- 作成した営業部のBさんは半年前に転職。
- 客先に提出する資料を上司承認ができず、業務がストップ。
調査してみると...
- 作成したBさんが退職し、クラウドフローの権限が本人のまま。
- アカウント削除後、一定期間はエラー通知を出しながら動くが、その後は強制停止。
- そもそも設計書や操作手順書が一切ない状態だった。
解決までの流れ
- まずは所有者権限を別の方へ付与。
- 他のアプリについても権限移譲漏れなどないか確認。
- アプリの動作確認。
- 今後同じことが起きないよう、仕様書作成とメンテナンス体制を構築
結果
- アプリは安定して動作するようになり、何より「また同じことが起きるのでは」という不安がなくなりました。
- 現在も定期的なメンテナンスを継続しており、営業部の皆さんが安心して業務に集中できる環境が整っています。
🛠️「困った」ときの対処法:基本の4ステップ
実際に問題が起きたとき、どう対処すればいいのでしょうか。基本的な流れをご紹介します。
Step1:現状把握(何が、いつ、誰に、どう起きた?)
まずは情報を集め、状況を整理しましょう。
- どんなエラーメッセージが表示されているか(画面キャプチャを取っておくと◎)
- そのエラーは特定のユーザーだけか? 全員か?
- 最後に正常に使えたのはいつか?
- 最近、SharePointやTeamsなど他のMicrosoftサービスで変更はなかったか?
- 誰がそのアプリやフローを使用・作成していたか?
Step2:緊急度の判断(止まって困るレベル?)
集めた情報を元に、対応の優先順位を決めます。
緊急度の目安:
- 高:業務が完全に止まっている(例:営業活動ができない、申請が止まる)
- 中:一部機能が使えないが、代替手段あり(例:別の方法で申請できる)
- 低:不便ではあるが業務に支障はない(例:画面のレイアウトが崩れている)
Step3:対応方針の決定(その場しのぎか、根本対処か)
- 一時的な回避策:設定を変えてとにかく業務を動かす
例:別のデータソースに切り替える、権限を一時的に緩和する - 根本的な修正:不具合の原因を特定し、正しく修正する
例:SharePointのアクセス制御、Power Automateのトリガー更新 - 作り直し:修正が困難な場合は、新規に構築する方が早いことも
例:古いフローをゼロから設計し直す方が安全な場合
Step4:再発防止(同じ失敗を繰り返さないために)
問題が解決した後は、必ず再発防止策を講じましょう。
- ドキュメントの整備(設計書、操作手順書、アクセス権一覧など)
- 情報共有体制の構築(複数人で管理、TeamsやSharePointで共有)
- 定期メンテナンスの実施(ライセンス期限、データ接続のチェック)
※フローやアプリに「管理者コメント」や「説明ノート」を入れるのもアリ
このように、問題が発生したときは「記録→優先判断→処置→改善」という流れで動けると、混乱を最小限に抑えることができます。
📞社内での対応が難しいときは...ご相談ください!
「理屈は分かったけど、実際にやるのは難しい...」
「触って余計に壊してしまったらどうしよう...」
そんな不安を感じるのは当然です。Power Platformは確かに手軽に使えるツールですが、いざトラブルが起きると専門知識が必要になることも多いんです。
私たちがお手伝いできること
実は、先ほどの A社の事例も含めて、私たちフロッグポッドではこのような「困った」状況のご相談を数多くお受けしています。
Power Platform保守・運用支援サービスでは、以下のような流れでサポートしています:
Step1:現状診断・見える化
まずは何が起きているのか、どんなリスクがあるのかを徹底的に調査。アプリやフローの構成をドキュメント化して、全体像を把握します。
Step2:長期安定運用の基盤づくり
一時的な修正だけでなく、今後も安心して使い続けられるよう、セキュリティやパフォーマンスの根本的な改善を行います。
Step3:継続的な保守・運用体制の構築
同じ問題が再発しないよう、定期メンテナンスや運用ルールの策定をお手伝い。長期的に安定したシステム運用を実現します。
2つの支援プランをご用意
① フルサポートプラン
保守・改修・運用をすべてお任せいただくプラン。「社内にPower Platformを触れる人がいない」 という企業様におすすめです。
② パートナーシッププラン
社内の担当者様と一緒に対応しながら、徐々にスキルを身につけていただくプラン。「将来的には内製化したい」 という企業様向けです。
具体的なサービスメニュー
メニュー | 内容 |
---|---|
初期診断 | アプリ・フロー・レポートの可視化+診断ドキュメント |
改修対応 | 改修・リファクタリング・構成最適化 |
フルサポートプラン | 障害対応・保守運用代行 |
パートナーシッププラン | 伴走支援+ノウハウ移転 |
ご相談の流れ
よくいただくご質問
Q. 作った人も設計書もない状況です。対応できますか?
A. はい、可能です。ソリューション構成から逆解析・構造化して再可視化いたします。
Q. Power AutomateやPower BIの相談も可能ですか?
A. はい、もちろん可能です。私たちはPower Platform全体を横断的に支援しています。
Q. Microsoft 365連携も含めて対応してもらえますか?
A. SharePoint、Outlook、Teamsとの連携も含めて総合的に支援可能です。全体最適化の観点からご提案いたします。
👉最後に
Power Platformは本当に便利なツールですが、「作った人がいない」問題は多くの企業が経験します。大切なのは、問題が起きたときに慌てず、段階的に対処していくことです。
そして、無理をしないこと。社内で解決が難しい場合は、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。
「うちも似たような状況で...」「ちょっと相談してみたい」という方は、まずは30分程度の無料相談からお気軽にお問い合わせください。
解決への第一歩をお手伝いします。
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